固定資産割賦購入仕訳のなぜ?(簿記2級)

【課題】簿記2級の出題範囲になっている車両の割賦購入の仕訳問題で、何故借方に前払利息(前払費用、長期前払費用)と仕訳するのかを疑問に思う方がいらっしゃるようなので解説してきます。

 

【仕訳例】※ここでは勘定科目の長短は省略します。

仕訳例1

車両運搬具  4,800,000 未  払  金 6,000,000

前払利息   1,200,000

仕訳例2

車両運搬具  4,800,000 営業外支払手形 6,000,000

前払利息   1,200,000

 

なぜ利息相当額を資産計上するのか?

問題文で利息相当額は資産勘定で処理することが指示されていることもありますが、そもそも車両を購入した時点で分割払い代金¥6,000,000は支払う義務が生じています。

うち¥1,200,000の利息相当額も支払う必要があり、それでいて購入時点では未経過ですので、経過勘定項目として前払利息(前払費用)として仕訳する必要があります。

次のよう段階的に考えるとわかりやすいでしょう。

車両運搬具  4,800,000 未 払 金  6,000,000

支払利息   1,200,000

このうち購入時点では利息相当額¥1,200,000全額が未経過利息(経過勘定項目)ですので次のように修正する必要があります。

前払利息   1,200,000 支払利息   1,200,000

以上2つの仕訳をひとつにまとめると次のようになります。

車両運搬具  4,800,000 未 払 金  6,000,000

支払利息   1,200,000

前払利息   1,200,000 支払利息   1,200,000

 

なぜ利息の未払額は未払利息(未払費用)ではないのか?

購入時点の仕訳として次のような仕訳も考えられます。

車両運搬具  4,800,000 未 払 金  4,800,000

前払利息   1,200,000 未払利息   1,200,000

未払利息(負債)は支払利息の経過勘定項目です。つまり利息相当額のうち経過した利息相当額を計上する勘定科目になります。しかし購入時点では経過した利息はありませんので、未払利息(経過勘定項目)で仕訳することはできませんし、そもそも未払金¥6,000,000は割賦払い代金の未払額を仕訳した勘定科目です。